一般的には、自立して生計を立てていると一人前と言われ、働かないで人のお世話になって生きていると、半人前などと言われると思います。
でも、それはこれまでの社会の尺度で考えた場合の捉え方です。
私は自分を正当化する為にこんなことを考えているわけではありません。また、働くことを否定するわけでもなければ、働かないことを肯定するわけでもありません。
ただ、すべてのことに言えることは、今自分が当たり前だと思っている価値観も、人間の社会が創りあげた一つの価値観に過ぎず、それが正しいか間違っているかを決めることは物事の本質からずれていると言う事です。
ニートも一般的な社会人も自分でどのくらい働いたかという程度の差こそあれ、お互いに依存しながら生きている事に変わりはありません。
自分で働かないで人の脛をかじっていると言う表現が生まれるのは、見方を変えれば、エゴです。
自分の事は何でも自分でやって当たり前という考えは、『人に迷惑はかけられない』、『人に頼ることは恥』、という価値観が根底にあるから生まれてくる考えです。または、他人は信頼できないから自分の力でなんとかしなきゃいけないという考えが根底にあるからだとも思います。
この考えは悪い考え方ではありませんが、物事に正しいとか間違っているとかは根本的には無いので、この考えを信じるのは自由ですが、それを頑なに保持しようとしたり、他人に押し付けようとしたり、物事を深く考えずに何となくそういう物だからその考えを採用する、自分の力だけで生きている自分は偉い・・・というような行為や考え方はエゴになるということです。
私が大事だと思っていることは、自分がどう感じるか、自分にとって真実か、自分にとって大事な事か・・と言う事です。自分の心で感じ、自分の頭で考えるということです。
社会の構造やライフスタイルが変われば、今までの常識は変わります。大きな戦争の後にそれまでの価値観が崩れ去ったように。
一人で何でもこなして一人前という価値観がある為に、自立している事は偉いとか立派という価値観が生まれ、そうでない人は、劣っていると言うような見方をされます。
それは、これまでの常識、価値観というだけなのです。それが変われば、これまでの価値観は簡単に逆転します。
人間は如何に固定観念や過去の経験に基づく価値観に縛られて生きているかという事なんです。
思い込みの力は大きいです。思い込みによって、ある体験をしたときに湧いてくる感情が変わり、行動に移す事も変わってきて、結果的にその人の人生をも変えてしまうからです。
人生を思うように生きたいと思ったら、まずはじめに、自分の中にある考え方を改める必要があります。
何かを体験した時に、特定の感情が湧いてくると思います。その時に、そういう感情が湧いてくるのは、自分がどんな価値観を信じているからだろう・・と考えてみるのです。そして、見つかった価値観は、今の自分にとって本当に必要なことだろうか・・・と考え、自分に合わなければ、違う価値観に入れ替えてしまえばいいです。正しい価値観も間違っている価値観も無くて、自分にとって、人間として大事な事はどんな事だろうって常に考えていく事が必要です。
そうでなければ、いつまでも自分の見ている世界は変わらないからです。
話が哲学的になってきましたが、もし、働く、働かないに関わらず、すべての人の生活が無条件に保障されていて、その上で、やりたいことをやっていける社会のシステムが実現したとしたら、ニートという言葉も無くなりますし、たくさん働いていて人にたくさん与えている人が特別偉いという価値観もなくなると思います。
その時は、きっとみんな好きな事を表現して世の中に貢献したいと思う人が多いだろうと思います。
もし現代社会で『普通』とされている価値観が自分にとって生きづらいと感じるなら、全く新しい価値観やライフスタイルを提案していくことはできるはずですし、自分はそういう事がしたいと思っています。
いくら自分の力で生きているって思っていたとしても、それは人間の狭い尺度でしか考えていないという事です。だから、稼いでいる程度の差こそあれ、宇宙の視点で考えたら、ちっぽけな考え方という見方もできると思います。
自分の力だけで生きているから自立しているという考え方はある意味傲慢な考え方であり、エゴの視点から生まれるものです。人は自分の力だけでは生きられません。自立して世の中に何かを与えていく事は大事ですが、それは自慢する為のものではありません。
自分で稼いだとしても、他の人がいなきゃお金もただの紙きれになるし、大きな戦争や災害が起きたり、地球が破壊されたりすれば、人間なんて、なにも出来ることはないと思います。
前に、地球に生かされているという記事を書きましたが、そういう謙虚さや優しさがあれば、もっとみんな平和に暮らせるのではないかと思っています。物事はもっと複雑なのだと言われるかもしれませんが、根本になる考え方はとてもシンプルなものだと思います。
この手のテーマはいろんな見方ができると思いますので、また書きたいと思います。